村上春樹 本

村上春樹の主な人気本の評価・感想を集めてみました。村上春樹の本を読みたいと思いましたら寄ってみて下さい。
主な作品は、新刊の1Q84やノルウェイの森、海辺のカフカなどがあります。

村上春樹の本は肯定評価も多ければ批判的評価も多いのが事実です。但し、最終的に評価をするのはあなた自身です。ここで掲載した評価・感想を読んだ上で本当の村上ファンになって下さい。ちなみに私の好きな作品は、1Q84、ノルウェイの森、海辺のカフカ等です。

村上春樹 代表作 ノルウェイの森について

1987年に発表された本作『ノルウェイの森』は上下430万部を売るベストセラーとなりました。これをきっかけに村上春樹ブームが起き、以後は国民的支持を集めている。そして待望の「ノルウェイの森」の映画化も決定しました。

主な概要:
1987年9月、講談社から書き下ろし作品として上下巻が刊行、1991年に講談社文庫として文庫化、2004年に文庫改訂版が出されました。執筆はギリシャ、シチリア、ローマで行われました。なお、前者は手書きで、後者はワードプロセッサーで執筆された。1987年3月7日、早朝から17時間休みなしで第一稿を深夜に書き上げる。直後の日記に「すごく良い」とだけ書き記した。3月26日、第二稿完成。すべてボールペンで手書き。学生運動の時代を背景として、主人公「僕」と、友人の恋人「直子」を軸に、さまざまな思春期の葛藤や人間模様、恋愛、喪失感などを巧みに描き、非常に広く読まれている。後述のように上巻は、片山恭一『世界の中心で、愛をさけぶ』に抜かれるまで、日本小説単行本の発行部数トップであった。
アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどの英語圏のほか、ドイツ、フランス、ロシア、中国、台湾、韓国などでも翻訳されている。ノルウェー語にも翻訳された。2008年、ベトナム系フランス人監督トラン・アン・ユンによる映画化が発表された。主人公ワタナベを松山ケンイチ、ヒロイン直子を菊地凛子、緑をモデルで演技初挑戦の水原希子が演じる。本格的なクランクインは6月、完成は2010年3月、公開は同年秋を予定。

あらすじ:1987年、37歳になった主人公の「僕」は、ハンブルク空港に到着した飛行機の中で流れるビートルズの「ノルウェイの森」のオーケストラを耳にして、18年前に死んだある女性のことを思い出す。

村上春樹 代表作 ノルウェイの森の評価

評価 :★★★★★
人間とは
人間模様が入り組んでいるお話です。恋で自分を見失っていく人。誰よりも極上の愛を手にいれようとする人。かつての恋で見失った自分を取り戻した人。そんな女性3人に異性としてより人間として慕われる主人公、僕。人に干渉せず、自分の世界を大切にしつつ、少し距離をおいて人と接していける僕。coolなのでもなく、大人なのでもないけれど、人間は限りなく一人なのだと分かっているのでしょう。心は自分だけのものだと。勝ち続ける事に人生の意味をみいだすエリート男性。彼を慕う女性。規則に従って生活していく男性。個性が入り混じった作品です。彼等の心を読み解くと、人間の弱さが痛い程分かっていくように思います。

評価 :★★★★★
駄作/名作
村上春樹の小説は「駄作」か「名作」かという両極端な評価に分かれることが多いようです。本作もその例に漏れることなく、やはり評価は賛否両論ですが、事実として「ノルウェイの森」は、ノーベル文学賞候補に毎年選ばれるほどの作家の代表作であり、世界の各国でベストセラーになるほどの小説であるわけですから、本質的に「名作」なのか「駄作」なのかはさておき、それだけの「魅力」が、小説内のどこかにあることだけは誰にも否定できないことでしょう。
「駄作派」の人たちには、夏目漱石や谷崎潤一郎などの、日本文学の名作と呼ばれる小説に数多く触れ、読書経験が豊富で、いわゆる「文学通」といわれる方が多いようです。否定の方法も、「展開や登場人物の行動に根拠がない」や「過去の名作のような深みがなく薄っぺらい」など、自分の文学観に照らし合わせた意見がほとんどで、平たく言ってしまえば「私にわからないのだから、面白い訳がない」という気持ちが、「駄作派」の大部分を占めている本心のような気がします。逆に「名作派」の人たちには、あまり文学に詳しくない方が多いようで、「何だか分からないけど、面白い」という無邪気な感想が頻繁に見受けられます。ここで注目したいのは、文学に詳しい人たちは小説の魅力を理解できず、そうでない人たちには、理解できるという、逆転の現象が起こっていることでしょう。
とにかく「駄作派」の、否定の調子の激しさはすごいもので、留まるところを知りません。もはやそれは悪意と言ってもよいほどで、その矛先は作品を飛び越えて、著者本人、果てには、小説を肯定する読者にまで及ぶ勢いです。しかし「名作派」の人たちは、とりたててそれに反論する様子もなく、自分の周りに壁を張り巡らせて、ひそっりと、ひとりで小説を楽しんでいるような、そんな風情です。そこには、まさに、「根拠のない悪意」と「自閉」という、村上春樹の小説世界そのものの図式が浮かび上がってくるようです。
村上春樹氏は「日本文学には残念ながら僕が求めているものはなかった」というニュアンスのことをどこかに書いていますし、人の情念をどこまでも深く追究して表現しきる、日本文学の伝統ともいえる名作の数々には、確かに惚れ惚れするものがありますが、単に、著者はそこを目指してはいない、ということでしょう。
「駄作派」の方々には、著者が表現しようとしているものは何であるのかを汲み取ろうとするやさしさが、もう少しあってもいいように思いますし、「名作派」の方々には、自分を惹きつけるものは一体何なのか知ろうとする意志を持ち、「駄作派」の人たちの土俵に、多少なりとも歩み寄ろうとする、そんな勇気も必要なのでは、と思います。そして、ちょうどそのあたりにこそ、村上春樹の表現したいものも、あるのではないでしょうか。

評価 :★★★☆☆
ハードル上げすぎちゃったなぁ・・・
著者の作品は今回初めて読みました。代表作と言われてますし、評判がかなりいいみたいなので、かなり期待しちゃったので、うーん・・・って感じでした。
まず、登場人物の会話が人間っぽくないし、みんな妙に理屈っぽくて個性がないというか、ぼーっと思い返して見ると印象に残る人物が居ないように感じました。
(鮮明に思い出そうとすれば一応覚えてるんですが・・) 自殺してしまった人や、その人達との関係にも感情移入ができませんでした。まあ、当然主人公にとって悲しい思い出っていうことは理解できるって程度。ただ、結構引き込まれる雰囲気は確かに有るような気がします。ストーリーやキャラクターじゃなく、この雰囲気 空気を楽しむ作品なのかな?別に読みづらいわけでもないし、悪くはなかったです。ただ、ちょっと期待が大きかったのでやっぱり星3つがMAXカナ・・

評価 :★★★★★
まだ年若い村上ファンが、いつか手に取って欲しい一冊
春樹氏の作家デビュー25周年を記念して、オリジナルカバー、レイアウトで復刊された文庫本です。私が初めてこの作品を読んだのは、20歳前後の頃で、そのときは、特に感慨を持たなかったことを記憶しています。むしろ、春樹氏の作品群の中の「気に入らない作品」と、私の中では位置づけられていました。『羊をめぐる冒険』や『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を読んで、感銘を受けていたのにも関わらず・・・。それは、その当時の状況への反発も幾分あったからかもしれませんし(この本は事実上、村上春樹の名を世間へ知らしめることになる記念碑的ベスト・セラーとなり、当時はそれこそ『世界の中心で愛を叫ぶ』と同じようなミーハーな騒がれかたをしたものでした。)、同時に私がまだ若く、この小説にこめられた喪失感、孤独感を、深く受け止めることのできる器がなかったからかもしれません。しかし、それから十数年が過ぎた今、改めて読み返してみると、当時には感じることの出来なかったものを感じることができ、個人的に、今やっと、この名作を評価する気持ちになれました。
最近は、ずいぶん若年層の春樹ファンが増えてきているようで、『海辺のカフカ』や、最新作『アフターダーク』で初めて春樹作品を読み、感動を覚えている若い方がいらっしゃるようですね。そのような方に、この作品を、「いつか、そのときが来たら読んで欲しい本」としてオススメしたいと思い、このレビューを書きました。私の言う「いつか、そのとき」とは、人生において、ふと気がつくと、大切な人、大切なときを自分がすでに多く失ってしまったことに、ふと気づいたときとでも言えばいいでしょうか・・・。そのときこそ、この小説が心の奥に染み渡るような気がしています。私のように、早すぎる時期にこれを読んでしまったがゆえに、「別に面白くなかった」と思ってしまった方にも、オリジナル・カバーが出たこの機会に、再読してみてはいかがでしょうか。この何年かに自分の中の「時」は、確かに流れてたのだな、ということを、この小説が教えてくれるかもしれないと思います。

評価 :★★★★★
読んでない人は、「いまさら」なんて恥ずかしがらず読むべし
作中にこんな場面があります。「私たちがまともな点は」とレイコさんは言った。「自分たちがまともじゃないってわかってることよね」これは、深い、喪失の話です。この小説は「恋愛小説」ではあるけれど、その一言でくくってしまうのはあまりにも乱暴なんじゃないかな、と思いました。恋愛をも含めた、もっと根本的な。。う~ん、うまくは言えないのですが、「つながり」のようなものを描いた小説だと私は思います。あらゆるモノとの「つながり」です。世界、人、思考、そういった様々なものとのかかわり方を教えてくれる小説ではないでしょうか。そんな「つながり」の中の一つ、「好きな人」とのかかわりを、人は恋と呼ぶのです。本の裏表紙には、
『あらゆる物事を深刻に考えすぎないようにすること、あらゆる物事と自分の間にしかるべき距離を置くこと――。』そう書かれています。本を読んだ後にこの文章を読み、私はしばらく動けませんでした。主人公ワタナベの周りで起こる様々な喪失。しかし、物体が喪失しようと、そこには「何か」が残り、それが残された人々を苦しめます。それでも、残された人々は生きていかなければいけない!!重い内容ですが、そんな前向きなメッセージを感じました。

評価 :★★☆☆☆
現実なら
一生懸命、良い部分を、素晴らしい部分を見つけたくて あなたの本を何冊も読みました。だけど、私にわかる事はできませんでした。確かにあなたはあなたの小説の中で自由です。リミットなんてなく。そして、あなたの書く世界はすごく現実なんだけど、きっとかなりリアルなんだろうけど、私はこんな現実をまだ認めたくないと思いました。まだあなたの知ってる現実を知りたくないと。だからあなたの本を読むことはもうやめようと思います。若いときにこそ読むべきと言われてる本を私は若いときに読んでみましたが、もしかすると私は年をとってからあなたを理解できるのかもしれません。


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