村上春樹の主な人気本の評価・感想を集めてみました。村上春樹の本を読みたいと思いましたら寄ってみて下さい。
主な作品は、新刊の1Q84やノルウェイの森、海辺のカフカなどがあります。
ようやく発売が決まった最新作「1Q84(いちきゅうはちよん)」(2冊同時刊、各1890円)が5/29(金)に新潮社から発売されました。
ご存知の通り、日々メディアで騒がれ、品切れ状態続出となってます。
なぜか?
それはマーケティング手法にありました。
@日本中が待ち望む新作長編小説だというのに、この一風変わったタイトルと発売日以外は一切の情報が漏れていなかった。
ちなみに新潮社のサイトを見ても表題と発売日以外はわからない上に、発売まで2週間を切ったタイミングで登場人物の名前すら不明でした。
なぜそのようなことをしたのか?
どうやらわざと“秘密状態”にしたらしい、そしてそれにはちゃんとした理由があったという。
「02年に刊行された『海辺のカフカ』の際に、世界中の読者から村上さんに作品の感想や質問を受け付けるホームページが設けられました。
その中で“事前の情報を何も知らずに作品を読みたかった”という声が、読者から少なからず寄せられたそうです。
そこで今回の作品では実験的に、舞台も登場人物も事前に一切わからないようにしたそうです」(出版部担当者談)
なるほど、実材料のひとつだった訳ですね。やられました。
※注意事項: コメントの中には、作品の内容に触れている箇所もあるので内容を知りたくない方は、読まないで下さい。
評価 :★★★★★
ゆっくりとした、しかし確実な、繋がり
本を開き、最初のページと、目次を見るだけでもわくわくします。
ゆっくりと、しかし確実に物語が、渦を巻いていくように繋がっていく感覚が素晴らしいです。
読むにつれ、他の物語とは決定的に違う何かがそこにあることをはっきりと感じることができます。
評価 :★★★★★
すごい小説です。
「ねじまき鳥クロニクル」に惹かれる方には特におすすめです。
歴史と暴力に重点を置かれた「ねじまき鳥」は圧倒的な小説でしたが、暗喩で暗喩を説明しているようなもどかしさを感じたのも事実。
でもこの「1Q84(いちきゅうはちよん)」は、使われる暗喩が非常に抑制が利いていて、暴力、痛み、孤独など、どれも本当に真に迫って感じさせられます。非常にストレートで完成された小説だと思います。
評価 :★★★☆☆
何処までも村上春樹
やっと読み終わりました。始めからずっと、あー村上春樹だな?という安心感のような
変わらない感じがあった。でも、変化し続けないといけないと言っていた人なのに、
何一つ村上春樹からは変化していないような感じでした。
物語としては面白いので、凄く引き込まれ勢いをつけて読みました。
でも、今一つという感じは残ります。海辺のカフカを読んだときは、変化してきているな、
という感じを受けたけど、今回の作品は元に戻ったという印象が強いですね。
なんだかんだ言っても、村上春樹の文体や表現が大好きなので、これからも買うと思うし
続きを絶対読むんですが、3,4巻がでるのならば、是非真新しい村上春樹であって欲しいと思います。
評価 :★★★★☆
手探りの冒険
自分は村上春樹さんのファンである。何十年来のファンだかわからない。読み返した本は数えきれず。村上春樹さんの新刊が出ればまず買う。買わずにはいられない。社会現象なんて糞くらえで。 今回のものが良い悪いかは、自分には到底判断がつかない。戸惑ったのは確かだ。今までにあった親密な空気が失われているような気がした。たとえばふかえりや(ふかえりは現実から遠い登場人物だが、でもしかし)、主人公の二人が、いつもどんなものを好きでどんな時間を過ごしてどんな生活を主としているのか、いつもなら読み進めていくうちにしっかりと掌に入るのに、なぜか判らない。生活についての、具体的なちいさな積み重ねが(もちろんその記述はあるのだが)納得のいくように心の中にすべり込んではこなかった。そういう本なのかもしれない。だって「1Q84(いちきゅうはちよん)」の大本はジョージ・オーウェルだものね。 村上春樹さんが、まだ、まだこれからも、実体のない先の見えないこの世の中で丸腰で歩みを進める意欲を損なわないこと。そのことに、驚嘆すらする。世間の批判がどうであれ挑戦を厭わないのだ。変わることを尻込みしたりしないのだ。そういう意味で、この本は村上春樹さんの一つの真剣な冒険なのかもしれない。わたしたちに対する真摯な姿勢なのかもしれない。 村上春樹さんは万能ではないし神ではないし一人の人間だという当たり前の事実を、ときどき忘れそうになる。それほど凄い作品を生み出してきたからである。けれど弱いときもあり強いときもあるという人間の姿を、今回この本で知ることができたように思う。で、ますますの村上春樹さんのファンである。沢山の迷いのなかで、次に手探りでどんな冒険をされるのか、心から楽しみにしている。
評価 :★★★★☆
いままでの作品より読みやすい
私は村上春樹の作品を3冊(「海辺のカフカ」「スプートニクの恋人」「羊をめぐる冒険」)しか読んだことがないのですが、どれも自分の感覚には合いませんでした。ただ、カフカ以降村上春樹から離れていたので、なにかしら違った感覚で読むことが出来るかもしれないと思い、今作を購入しました。私にとっては、「一番とっつきやすい村上春樹」でした。わかりやすい言葉で綴られ、繰り返されるフレーズにげんなりしながらも読み進めることは楽しく、物語として楽しむことができたからです。非現実的な出来事が絡み合ってきたときに、あいかわらずなんだなあと嫌悪を覚えもしましたが、それでも引きつけられるものがありました。「ふかえり」の存在が大きかったのではないかと思います。彼女は非常に魅力的に感じられました。有無を言わさず「すばらしい!」と思えるほどの作品ではありませんし、ほかの方が言っているように続編がありそうな終わり方でありナンバリングです。好き嫌いは分かれると思いますが、村上春樹を読んだことがない人、いままであまり好きではなかった人にとっては入りやすい作品なのではないかと思いました。
評価 :★★★☆☆
がっかり
今年還暦を迎えた村上春樹5年ぶりの小説は、いつものウィットに富んだ言葉の味わい、ストーリーの緻密さ 、サスペンスフルな展開、アレゴリーやシュールな世界観に乏しく、 文中にある、17歳の少女ふかえり作『空気さなぎ』に対する文芸評論家の書評を借りて本作を表現すれば、『不確かな筆力、鈍い感性、枯れた想像力。その作品は新しい文学のスタイルの可能性を否定しているのかもしれない。』と評したいくらいの駄作で、期待しすぎた分だけ、失望の度合いは大きかった。 年を取ると話が長くなるというが、540ページかけて、やっと話が動き出すんだから、 第1巻を読んでいる間、箱を空けたら何処までも箱が入っているみたいなもどかしさで、終始苛苛し通しだった。結局、第1巻が起承転結の起で、第2巻が承になり、To be continuedで、第3巻、第4巻(または第3巻のみ?)を
待たなければならないのだけれど、続きを読みたいという意欲は失せてしまった。(第1巻50点 第2巻70点)
評価 :★★★★★
村上ワールドの真髄
村上春樹氏の作品については、あらすじを説明したり、読後感をつづるのがとても難しい。気がつくと、不思議に透明で、危うく、なぜか哀しいほどに可笑しい村上ワールドに引き込まれて時を過ごしている。古今東西さまざまな文学作品の引用、豊富な語彙、精緻な日本語、洒脱な会話、たびたびページを繰り戻し、幾度も言葉を楽しみながら、時間をかけて、それでも一気に読破した。
評価 :★★☆☆☆
良くも悪くも、村上春樹…
TVのニュースでこの小説を買っている中年男性が「村上春樹にハズレなし!」と言い切っていた…
わたしは著者自身に特別な拘りはないが、こういったハルキ信者に対しては少し客観視している
5/29時点で、4刷り…68万部、果たしてこの数字に値する内容であるのか自分で確かめてみようと思い、手に取った…
一言で言ってしまえば「ベストセラーとSEXカルト教団」のストーリー、確かに、引き込まれる内容であったが今さらそれほど大作にする程の題材ではない
似たような小説を読んだ事もある。そこには、やはり「村上春樹だから」というネームバリューがある新人作家が同じ内容のものを書いても、1万部も売れないだろう。村上春樹の小説は、読者を突き放す傾向にある。例えば車を書くにせよ黒い車とは書かず「クラウン・ロイヤルサルーン」と書く。読みはじめて20ページ程で、車好きにしか分らないであろう車名が4つも出てくる。こういった細かい情景描写が村上春樹の得意とするものであり読者はそう言う所に魅力を感じるのだろう。すべての読者にすべてを伝えようとはしない…分る人にだけ分ってもらえばいいしとらえかたは読者に任せている。個人的には生々しい性的描写に少し嫌悪感を抱いたがそれも又、村上春樹の独特な世界観である。出版社が倒産し、書店業界全体が落ち込んでいる中これだけの出荷は異例の事である。が、正直なところ増刷をしても全てが売れる訳ではない。最終的に返品の山と、古書チェーンの店頭に並ぶ事になるだろう。しかし、業界を活気づかせる起爆剤になったのは間違いない。星2つにしたのはこのストーリはたぶん、続く… 最低でもあと2冊は出るだろう。なので、最終的な評価はその2冊を読んでから決めたいと思う
すばらしい作家だとは思うがこの作品が彼のベスト1だとは、正直思わなかった…
評価 :★★★★★
レビューは読後に読むとして、先ずは作品を読んでみたい。
作家の意図として先入観を持たずに読んで欲しい、と聞いた気がするので前情報を入れずに読むことにして今読んでいます。
こうやって”知らないもの”を見る・知ることが最近は少なく、知らずの内に見聞きする作品の見所を頭に入力してからそれを追う様な、ある意味貧相な見方に
慣れてしまっているきらいがあるので、こうやってニュートラルに文字を追えることを素直に楽しんでいます。
好きな作家で期待が大きいせいもあるでしょうが、文字の一つ一つが瑞々しく感じられます。
またこうした真新しい物語を今読めることはうれしい限りなので、これから読まれる皆さんは前情報を入れずに読まれてから他の読者のレビューをご自身の感想を比較してみては如何かと思います。